私の職業奉仕(指宿RC・堀之内 茂)

所属クラブ:

氏名:堀之内 茂

 指宿ロータリークラブへ希望して入会してから、35年目と長い年月が過ぎましたが、入会間もない頃、クラブ例会とは別の炉辺会合が頻繁に開かれておりました。その中で大先輩の方々から、ロータリーの基本的精神と職業を奉仕の機会ととらえる価値観やロータリーを通じて人間として成長を遂げるなどの魅力を教えられた事を昨日の事のように思い出します。そして、入会の目的であった人生の先輩、企業人との交流が私により良く大きく影響し、成長の糧になりました事に大変に感謝をいたしております。

 私の父が昭和35年建設業として創設し、50年代の近代化の波の中、技術革新が進み、激変した時代を乗り切り、私が引き継いでから26年が過ぎました。建設業特有の建物造りの中で、お客様が要求した通り、又、それ以上の建物を造る仕組みがあり、要求した図面通りの建物を完成されてくれるであろう「心証」をお客様に与える事ができる、そして満足していただける事が求められます。

 私の座右の銘は「誠心・誠意」であり、その心で社業を営んでまいりました。

社訓の安全第一、正しく生き抜く

  • 誠意と感謝の気持ちで奉仕する
  • 関係各社との協力と親和を重んじる
  • 高品質、適正価格良き物作りに徹底する

は、先代から引き継いだ真髄であります。

 顧客とは、従来それらの経営方針等々により、相互の良好な信頼関係のもと、完成、お引渡しが成立していました。

 しかし、昨今顧客の求めていることは「エイ・ヤー」の心意気よりその事を裏付ける法令条件と顧客のニーズを満たした規格、ルール等の制度の整備と施工の実施です。

顧客が満足していただく、その裏付けになる根拠の1つにISO(国際標準化機構)の取得、運用があります。今では、各種業界でも取り組みが行われておりますが、国際的な標準で品質管理と環境保護に関する国際ルールのことです。

要約して説明すると、

  • 国際ルールに基づき、自社のルールを決める。
  • 決めたルールを守って仕事をする。
  • 課題を見つけ、目標を定め、それを達成する。

お客様の意向を大切にしながら、自社がISOで何を実現したいのか、取得する目的をしっかり見据えたうえで決める事が重要なことなのです。ISOは世界中の生活やビジネスに都合がいいようにいろいろな分野において、標準化に取り組んでいます。そして、必要な標準や規格を制定、発行し、国際的に普及させています。

 弊社もISOの取得、運用をする中でマニュアルを作成し、その目的が当社における品質及び環境マネジメントを構築することで品質と環境に関するルールを明確にし、全員で運用をすることを目的として策定をいたしました。

 具体的に申しますと、

品質と環境方針として、当社は高い品質の工事を提供する事に心掛けています。また、地域社会の発展に寄与するとともに以下のことを目指します。

  1. 顧客に満足していただけるサービスを提供いたします。
  2. 品質及び環境に関する目標を定め、品質向上と環境保全活動の推進に努力いたします。
  3. 工事現場からの環境汚染を防止します。
  4. 品質及び環境の関連法規、条例及び当社が利害関係者に同意した要求事項を遵守いたします。

この様に会社として取り組む姿勢を提示する事が今日は求められています。またそれらを実現するため顧客満足を向上させるための社員の認識と自覚を高めるために「全員営業」を基本とし、当社が施工する物件は法令条件と顧客のニーズを満たしたものであり、更には当社の活動で著しい環境側面となる作業に対して改善活動が取り組める体制を維持する必要があります。その為に関係するスタッフに対して、社外講習、社内講習、現場での実践指導等の方法で教育や指導を行ない、品質向上と環境保全の為に必要なスキルを向上することを目的として実施しています。

そして、高価なエコカーに買い換え、高額な投機的な太陽光発電パネルを設置し、資源の枯渇防止と環境に配慮した事に取り組むニーズがあり、顧客がそれを求めている事は確かであります。

 私達も顧客の変化する要望を満足できることに対応しなければならない事から取得、運用をしている訳であります。

そして、顧客は「安かろう、悪かろう」の家づくりから特別安価でなくても、適正な価格で法的裏付けのある規格により、個々のニーズを反映した家づくりを求めており、業者選定の判断基準もそれ沿ったものであります。

また少子高齢化の影響も深刻で、それにより持家や賃貸住宅の着工件数減少、学校等の公共施設の発注減少等、厳しさが増していく現状があります。

 さらには、今、建設業界でも専門職種の技能労働者の不足が深刻であり、次の世代を担う若い人達を育てるためにも、職場のイメージアップ、労働条件の改善などを計り、自社で育てていくことをも挑んでいかなければなりません。私達を取り巻く環境が、今までにないスピードで変化していく中で、先行く不安を払拭するためにも、確かな技術の取得と柔軟な対応力そして適正な規模と経営の合理化を図りながら事業や専門職に携わる人が集い修練するロータリーの交流の中から得た関わりの知識をも職業奉仕として実践活動し、次代に引き継いでいきたいと願っています。