私の職業奉仕(小林中央RC・小堀 正己)

所属クラブ:

氏名:小堀 正己

私は、司法書士業務を主たる業務とする者です。この11月で業務歴40年になります。司法書士法では、第2条で「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」として職責を定めております。

ところで、 ロータリーの哲学を端的に表現し、職業奉仕の理念の実行に役立つものとして、1.真実かどうか。2.みんなに公平か。3.好意と友情を深めるか。4.みんなのためになるかどうか 言行はこれに照らしてから行うべし の四つのテストがあります。世の中、これに加えて、いや、これよりも「金になるかどうか」の基準が多すぎますね。結果的にお金になるのであればいいのでしょうが。

この四つのテストに照らして職務を遂行することは、私の職責を全うするために最低限必要なものと感じております。勿論、ロータリークラブに入会して初めてこの四つのテストを具体的に知ったのですが、理念的には加入前から意識していたものとの自負があります。

私は職務の遂行にあたっては、依頼人と面接し、依頼人の依頼の趣旨を注意深く聞き取ることに全力を傾注します。

たとえば、不動産の贈与の登記を依頼された場合、単に簡単な登記手続きを進めるだけでなく、その贈与登記手続きのメリット・デメリットや贈与税の説明をしたうえで、当事者納得の上で手続きを進めます。

かつて、親族に対する贈与登記の依頼があり、計算したところ、かなりの贈与税がかかる可能性があると説明したにもかかわらず進めてくれとの件がありました。実務者の経験といいますか感といいますか、これは「資産隠し」だなと思いましたので、贈与する理由をしつこく問いただしたところ、やはり贈与予定者が多重債務に陥っており、「差押逃れの資産隠し」のための贈与登記の依頼でした。そこで、私はとくと説明の上当事者が納得したので贈与予定者から債務整理を受託しました。その結果、贈与予定者の債務は法的に縮減され、支払うべき債権者には支払い、過払金の発生している貸金業者からは過払い金を回収し、贈与予定者の債務整理が完結しました。おかげで当事者は無用な贈与登記も回避することができました。おかげで、私は後日に問題を引きずるような詐害的不実登記手続きをせずに済みました。まあ、うまくいった場合の自慢話かもしれませんが。

真実を探求して聞き取り、債権者に対しては公平な支払いと回収ができ、依頼者との間に信頼関係(好意と友情)を形成し、何よりも依頼者の望んでいた借金からの解放ができました。このさいは、そんなにお金にはなりませんなでしたが、以後の業務の糧というか財産になったのは間違いありません。

正直なところ、この四つのテストは簡単なことですが、簡単でもないのでしょうね。この四つのテストの私なりの解釈が間違っていたらごめんなさい。

余談ですが、トップの方が、嘘と、不公平と、対立と、おともだちのためだけの方では如何なものでしょうかね。