私の職業奉仕(小林RC・池井俊彦)

所属クラブ:

氏名:池井 俊彦

 ロータリーの奉仕は職業を通じて奉仕する個人奉仕が特徴で、それが職業奉仕なのだと長年にわたり理解しておりました。しかし、大重ガバナーのアドレスで職業に奉仕するのが職業奉仕であって、仕事を通じて奉仕するのは社会奉仕だということをお聞きして戸惑いと共に目にウロコでした。

 「私の職業奉仕」についての投稿依頼があり、いざ自分の職業奉仕を考えると、これまで勘違いしていた職業奉仕(社会奉仕)のことかと 複雑な気もいたします。

 職業奉仕というより、自分の職業において心がけていること、実践していることなど述べてみたいと思います。

 私の職業は歯科医師であります。開業して36年です。地域社会のために歯科医療を通して貢献したいと診療室での診療のみならず、歯科医師会の活動を通じて学校歯科健診、1歳半児童健診、3歳児童健診、母親教室の開催や成人歯科健診、「歯と健康みんなの集い」の開催などを通じて、口腔衛生指導、公衆衛生活動等も実施しております。歯科医師の多くの皆さんもされております。

 ここからが私の仕事の取り組みです。私は診療所まで通勤しておりますが、スタッフより早く一番乗りで出勤し、外回りの掃除、水まきなども毎朝しております。雨の日には傘をさして落ち葉を拾います。患者様は勿論のこと、スタッフもお迎えする気持ちでおります。診療所ではスタッフの仕事でも手がすいておれば何でも積極的に手伝っております。診療日は朝から夕方までほぼ動き続けております。4年ほど前からは、息子と二人で診療しておりますが、まだまだ息子に負けてはならないと頑張っている70歳の現役です。75歳での引退が夢です。

 私の家系は祖父の時代から医者の家系です。病院は現在、弟が理事長,院長を務めておりますが3代目であります。私の兄弟の子弟のほとんどは医者であります。

在学中もおります。私と息子だけは歯科医師ですが、私の歯科医院の多くの患者様は何かにつけ、池井病院の患者様だったり、父などと関係のあった方が多いのも事実です。池井というネームバリューでの患者様にも支えられております。これまで約100年近く、誠意をもって診療に取り組んできた父や祖父そして弟にも感謝しなくてはなりません。

 診療で迷うこともあります。そんな時は簡単な方法ではなく面倒な方法を選択するように心がけております。スタッフにもそのようにさせております。仕事での手抜きは許されません。手抜きどころか時間さえあればこれでもか、これでもかと取り組みをしております。

 開業当時は歯科医師にとっては、恵まれた時代でしたが、今や歯科医師はワーキングプアなど厳しい環境にあります。宮崎県西部分区の8ロータリークラブのなかで歯科医師は私一人であります。同業者にロータリークラブへの入会を勧めるのですが、それどころではないという本音をお聞きします。

 逆に私はこれまで35年の長きにわたりロータリークラブのメンバーであり続けられたのは、ロータリークラブがとても素晴らしい組織で目的があり、目標がありそれに向けて多くの会員と取り組みながら、思いを共有し身近に接することが出来、心を通わせ共に生きているという実感があるからであります。入会以来35年で例会欠席1回のみというのも健康であり仕事も順調で、職場や家族の理解もあったからです。

 「思いやりの心をもって相手のための尽くす」 というサービスの精神を職業にどう取り込むかが私たちロータリアンの仕事に取り組む心構えであり、これからも課題となります。多くの会員の皆様からアイデアをいただき自分の職業に取り入れ実践することがロータリーの職業奉仕になります。切磋琢磨する例会こそロータリーの例会だと理解しております。

 これからは意識的に職業に奉仕を模索し、サービスの心を会員同士 切磋琢磨する環境、例会のあり方にも尽力してみたいと考えます。

 いつの日にか、この原稿を読み返し、今年が私の職業奉仕の出発だったのだとの思いをしてみたいと思います。大重ガバナーより職業に奉仕を学べたことに感謝して「私の職業奉仕」の原稿とします。