私の職業奉仕(宮崎中央RC・鳥山 浩)

所属クラブ:

氏名:鳥山 浩

 私は現在、江坂設備工業㈱の代表取締役会長です。

 江坂設備工業㈱は、親会社の工事部を分離独立して、昭和44年6月に設立した会社です。

主に、官庁・民間の建築物の設備工事の請負をしています。官庁の入札工事もありますので、県内一円を商圏としています。

仕事柄、社員は現場に出て作業になります。社員が株主になれば配当を受けることができますので、一所懸命に働くだろう。との思いから、一定の条件の基に社員を株主としました。

 当初から、社員あっての会社という思いで、利益が出たらその五分の一を決算ボーナスとして、社員に支給しています。創業以来、赤字を出したことがなく、一番の社会貢献である税金を納めています。従って、創業以来、決算ボーナス、株の配当、役員賞与も出しています。

我が社の経営理念にあります「お客様、会社、従業員と共に栄えなければならない」ということで、お客様に対して、個々にお返しすることができないので、当社で施工したお客様を対象に修理を専門にした係りを設け、昭和46年頃から24時間体制で実施しています。その頃から、宮崎県・宮崎市の公営住宅担当者が水周りの修理で困っていたので、これも一手に引き受けました。それらの影響で、公立小中学校、県職員アパート、教職員アパート、警察アパート、民間のアパート等の修理を行うようになりました。

当時は、会社の2階が私の住まいだったので、夜間には電話を自宅に切り替えて受付をしました。当然、私が受け付け、私でできることは現地に赴き処理しました。処理できないものは、社員に呼びかけ対処してもらいました。留守のときは奥さんが受付を担当しました。当時はポケットベル・携帯電話等は、まだありませんでした。

 昭和46年に次のような事故が起こりました。午前1時頃、突然水道局から電話が入り、当社が施工した水道本管工事の現場で水張り試験をしたら、道路一面水浸しになっている。至急対処してもらいたいと依頼があり現場に急行しました。水道局の担当者に尋ねたら、開けてはならない弁を開けた結果で、何とか処理してもらいたい。とのことで、道路が幅(道路一杯の6m)長さ15m、深さ1.5mのプールのような穴があいていました。そして、付近は約30cm浸水したようで、すでに水は引いていました。そこで、全社員に連絡をとり総動員で復旧作業に当たらせ、何とか午前6時頃までに交通に支障のない状態にすることができました。付近の住民の方々には最低の迷惑で済んだようで苦情はありませんでした。今なら大問題になったことでしょう。

 土・日曜・祭日には、電話・修理当番として2~4人配置しています。最近は、週休2日制が徹底しているので、電話依頼は少なくなりました。しかし、突発事故はいつ起きるか分からないので、5月の連休、お盆休み、年末年始の休みにも配置しています。これもお客様に対するサービスであります。(これだけで相当の費用負担です)

 また、昭和54年、元県議会議長を務めた方から、宮崎県の「愛のふるさと基金」の寄付の要請がありました。いいことだと思い協力しました。それ以降、日本赤十字社(国)、宮崎県、宮崎市、近隣の市町村、神社仏閣、公の団体(例:宮崎市社会福祉協議会、宮崎被害者支援センター、時には地震等の災害等)に寄付を実施するようにしています。

 理由しては、会社、従業員、株主、役員は、会社が利益をあげれば、それぞれに恩恵を受けていますが、お客様には個々にお返しすることができないので、修理の他にこういう形を取ったのであります。

 昨年社員から、小学校に入学したら、学校の便所は和風大便器なので、新入生は利用できないで困っている。と聞きました。宮崎市教育委員会に問い合わせしましたら、洋風便器の改造は考えているが、予算の関係上なかなか難しい。と言われました。そこで、もし当社が寄贈するとしたら受けてもらえるのかを検討してもらった結果、OKの返事をいただきました。

 当社は2年後、会社創立50周年を迎えます。そこで、本業の設備に関することで社会貢献するもの良いことではないかと、取締役会議で決定しました。

会社創立50周年記念事業として、「小学校へ洋風便器をプレゼント事業」を計画し、今年3月の休み期間に、近隣の小学校の一年生用男女便所に洋風便器1組ずつ改造工事を施工し、5月の全校朝会で、贈呈の伝達式を行い、一年生の生徒さんからお礼の言葉をいただき、また、校長先生から大変喜んでいただきました。

現在、生徒のほとんどの住宅は、洋風便器で和風大便器を利用したことはなく、入学すると先生方がその使用方法を教えているそうです。家庭にはウォシュレットや自動洗浄があるので、一部の生徒は学校で使用せず、我慢して家に帰るそうです。

ですから、新しく洋風便器が設置されたことに対して、感謝の気持ちを私たちに伝えたのだと思います。これを受けて、我が社はこれからも継続していこうと決意を新たにしました。

今年の5月の決算に際しても、すべて実施しました。