私の職業奉仕(鹿児島南RC・玉利 佳久)

所属クラブ:

氏名:玉利 佳久

私の会社はアパレル総合卸売業を営んでいます。昭和24年鹿児島市中町で創業し、今年で創業69年になります。父の後継者として入社しました。現在東京・熊本・宮崎の3営業所を含め、地方小売店や量販店・専門店にグンゼ製品・紳士・婦人・雑貨を中心にアパレル商品を販売しています。最近は小売店の経営者も高齢化が進み、後継者不足でやむなく廃業が増えてきました。そして小売店さんを取り巻く環境も高齢化や人口減少が進み、顧客の減少が深刻な問題であり、どうやって新規顧客を増やすかが大きな課題であります。それだからといって、若い人たちは小売店には足を運びません。むしろスーパーやディスカウント店・しまむらやユニクロと言ったところへ買い物に行きます。そこで各小売店に元気で買い物に来られていたお年寄りが、体調を崩して老人ホームや施設に入所されていることから、群馬県高崎市の同業者で大手問屋の社長が発案した「お元気ですか」という事業を10年前からスタートしました。この事業は、老人ホームや施設に入所されているお年寄りを対象に、もう一回買い物をする楽しみを味わってもらおうということで、トラック一台分衣料品を積み込み、平日の午後1時から3時まで2時間施設の食堂ホールにショッピングモールを作ってあげて、ヘルパーさんと一緒にお買い物を楽しんでもらうという事業です。実際にレジを置いて、現金の受け渡しもします。入所者の方々は、家族の方かヘルパーさんが買い与えたものしか身に着けることはありませんが、実際に自分で選んで買ったものを着る楽しみを得ることによって、生きがいを感じたり、元気が出たりします。家族が選んだものは地味な色柄が多いいのですが、ご本人が選ぶのは結構派手目な色柄を選びます。お年寄りが自分で選んだものを身に着けたときの笑顔は最高の笑顔です。この事業は職業奉仕の一環として会社全体で取り組んでいます。私が鹿児島南ロータリークラブに入会したのは平成17年7月でした。父が長年ここのクラブで活動していましたので後を受けて入会しました。ロータリアンとして職業奉仕への取り組みは、「4つのテスト」を基本に日々お得意様に対してどのような商品やサービスの提供ができるかを考え、地域社会から必要とされる企業を目指して頑張っています。また南ロータリークラブでは音楽を通して老人ホームへの慰問活動を行っています。8年程前、鹿児島中央ロータリークラブの椨会員と一緒にある老人ホームへ慰問したのがきっかけとなりました。慰問の際、椨会員から古賀メロディーを何曲かギターの弾き語りで演奏してみてはと言われ、今時こんな古くさい歌がお年寄りに聴いてもらえるか疑問でしたが、「酒は泪か溜息か」や「影を慕いて」他数曲演奏してみてびっくり。何人かのおじいちゃん・おばあちゃんが涙を流しながら聴いていました。涙を流した方が「今日は何十年ぶりに古賀メロディーを聴きました。親・兄弟や昔を思い出し涙が止まりませんでした。そして青春時代に帰ったような気がしました。また慰問に来てくださいね。今日は本当にありがとうございました。」と感謝され、握手までしてくれました。私自身も大変感動し元気をもらい、こんなに喜んでいただけるのであれば、今後もロータリアンとして慰問活動を続けていこうと決心しました。現在のメンバーは、東條会員の奥様のハンドベルとピアノを演奏される黒江裕子さんと3人で「クリスタルサウンズ」を結成し、年に数ヵ所慰問しています。内容は最初に日本を代表する童謡・唱歌・叙情歌をヘルパーさんを含め皆さんと一緒に歌って、その後3人でいろんな曲を演奏し、最後に70年前80年前の古賀メロディーをギターの弾き語りで演奏します。古賀メロディーは歌詞カードを配らなくても、皆さん歌詞を覚えておられて大きい声で一緒に歌っていただけます。泣きながら歌う方や笑いながら歌う方、手拍子をしながら歌う方、いろんな楽しみ方があるようです。また、認知症の方は言葉は通じませんが、音は通じます。音に反応して、手を動かしたり声を出したり泣いたり笑ったりします。行く所々でいろんなドラマが生まれます。今後も音楽を通して心の底から皆さんに喜んで頂けるような、明るく楽しい慰問活動を続けていきたいと思います。

最後にロータリアンとしての将来の展望としては、我がクラブの良き雰囲気であります「和気藹々」を大切に、職業奉仕を通してあらゆる方々との出会いをもっともっと広げていきたいと思います。