私の職業奉仕(指宿RC・大田学)

所属クラブ:

氏名:大田 学

まずは私の会社の紹介をさせて頂きます。業種はいわゆる建設業です。当社では総合設備業という呼び方をしています。

少し詳しく言いますと、発電所で作った電気を電柱や電線を利用して家庭へ送り届ける為の「配電線工事」、建物で電気・空気・水を利用する為の「電気設備工事」や「空調衛生設備工事」、インターネットや携帯電話・防災無線等に必要な光ファイバー通信・無線通信の為の「情報通信設備工事」、太陽光発電・風力発電・バイオマス発電などの再生エネルギー事業、そして1次産業の天草オリーブ事業などをおこなっております。

 

当社は73年前の昭和19年に資本金250万円で会社を設立(当時は「九州電気工事株式会社」)し、平成元年に「株式会社九電工」へ社名変更しています。

諸先輩方の話によれば、太平洋戦争下の昭和19年12月1日、当時の軍需省の要請に基づき九州の主要電気工事会社が統合して誕生しましたが、戦災によって本社をはじめ社屋の多くを消失するなど、数々の被害を受けつつ満身創痍の姿で敗戦を迎えたそうです。

戦後の当社は、電気工事業者としての使命を自覚して、荒廃した国土の復興に血のにじむような努力を重ねてまいりました。

特にここ指宿は台風の入口でもあり、台風の被害は大きかったようで台風襲来ともなれば、配電設備の被害は予想を超えるものがあり、復旧には長期間を要する状態でした。当時の復旧作業は人力が中心であり、現在では想像できないほどの厳しい条件の中、当社の従業員は懸命に台風と闘っていたようです。

最近では機械化が進み早期復旧が可能となりましたが、災害時は相変わらず想定外の事だらけで現場の厳しさに変わりはありません。毎日、無事に帰ってきてくれる事を祈るばかりです。

その後の日本経済の驚異的発展を背景として、空気調和や給排水分野、また、産業排水処理などの環境分野、光ファイバーなどの情報通信分野に進出するなど、多事多難のなか事業の多目的化を図りながら、業容を拡大して今日に至りました。

これもひとえに、永年ご愛顧、ご支援を賜りましたお客さまや株主の皆さま、さらに温かいご理解を賜りました地域社会の皆さまのお陰にほかなりません。当社を支えていただいたすべての方々に心から感謝申し上げます。

 

 

 主な施工物件を紹介させていただきますと以下の通りです。

1969年 日本国内の石油使用量約2週間分に相当する原油735万キロ

リットルを貯蔵することができる「喜入石油備蓄基地」

1991年 世界一美しいロケット発射場といわれている「種子島宇宙センター」

1992年 オランダの街並みを再現したテーマパークの「長崎ハウステンボス」

1993年 開閉式屋根を持ちコンサート会場としても利用できる多目的

ドーム球場の「ヤフオクドーム(当時:福岡ドーム)」

 1994年 国際ロータリー2730地区の地区大会会場でもあります「宮崎シーガイア」

等々の設備工事を施工させていただきました。

 

私は今からちょうど30年前に就職しました。勉強があまり好きではなかった事もあって高校卒業後、すぐに社会人の第一歩を今の会社でスタートしたのです。なぜ、この職業に就いたかと言うと、やはり家庭環境の影響が大きかったのだと思います。

私は三人兄弟の末っ子として甘やかされて育ちました。当然ながら贅沢に暮らせる余裕は無く、いつも兄弟のおさがりばかり与えられていたような気がします。

鉄工所で汗水流して働く父親の姿を見て育った私は、自然な流れで「ものづくり」の世界へ飛び込みました。建物の一つ一つがオーダーメイドであり、施主の思いを込めた設計図を元に多種多様な業者が、それぞれの知恵と技術で力を合わせて造り上げていきます。余裕のある現場はほとんどありませんが、そのぶん完成したときの喜びはやはりひとしおであります。

自分の息子には出来るだけおもちゃを買い与えるのではなく、一緒に作るようにしています。完成した時の喜びを楽しみながら、私の思いを引き継いで行こうとしているところです。

 

今回、この原稿作成にあたり、改めて「ガバナー月信(1月号)」のガバナー挨拶を読み返してみました。そこでは大重直前ガバナーがこのように書いていらっしゃいます。

『昨今のロータリーの例会は、単に食事を摂り、報告を聞き、卓話を聞いて帰っていく。

企業経営上の知恵の交換やアイディアの交換はなく、自己研鑽、切磋琢磨の意識もなく

なっている。例会出席が職業奉仕の意義をなくしている。』

昨年、初めてロータリークラブに入会し、これが普通だと思っていた私は1年が過ぎ、ようやく間違いに気付きました。

これからはもっとたくさんの人達と知恵を出し合い、人の為(社会の為)になることを考え行動していきたいと思います。出来るだけ毎週の例会に参加し、会員の方々との親睦と交流を深めていくと同時に、今年度は「インターアクト担当」として青少年の健全な育成と行動力を身につける支援をさせていただきます。

 

 先日、県内高校生の職場見学を受け入れました。その生徒は台風災害時に徹夜で復旧作業する九電工の仕事を通して地域の役に立ちたいと言ってくれました。自分たちの仕事を見てくれている事に胸が熱くなりました。

 現場や社会には見えない苦労もあり、それらを乗り越える事が出来るだろうかと心配もありますが、数年後にまた再会できる事を楽しみにしています。そして、この子が地域社会の皆さまに感謝される社会人になることを心から望んでいます。

 

これからも多くの人と出会い、自分自身も成長し、「笑顔」と「感謝」の気持ちを忘れないよう頑張ります。