私の職業奉仕(日南RC・村岡 俊宏)

所属クラブ:

氏名:村岡 俊宏

「職業奉仕」この言葉を見ても、聞いても、読んでもすぐに頭に浮かぶものがありません。二宮尊徳や渋沢栄一の話を読んでもすごい人だなあと感心するばかりで、「さあどうするものかな」と言っても何からしてよいものやらとそう簡単にできるものでもないです。

知人に誘われてロータリークラブに入会して早3年、いまだにロータリークラブが何なのか良く理解できずにいますが、先日「ロータリークラブってなにをするところなのですか?」と聞かれ、とっさではありますが「職業を通じて社会に奉仕するところです」と答えました。相手のかたには少しは分かってもらえたのかなと思っていますし、何かロータリアンらしくなったかなと思っているところです。

 この原稿依頼が来て職業奉仕委員長として何か書かなくてはと思ってもなかなかペンが進みませんでした。そこで、弊社のことを少し書かせていただきます。

 私が社長を引き継いで5年になります。前社長が病気のため突然亡くなり、とにかく会社をどうにか維持しなくてはと思い、やっとの思いでこの5年を乗り切りました。引き継ぎ等全くなかったものですから、得意先や銀行にとにかく頭を下げ、教えを請い、またたくさんの方々に応援を頂き、やっとの思いで今日に至っております。

 引き継いだ時は、経理のことも分からず、また銀行との取引を全く理解できずに、一つ一つ聞きながら今日に至りました。たくさんの方々に迷惑をかけたと思います。この場をお借りしてお詫び申し上げますとともに、御礼申し上げます。ありがとうございました。

 弊社は昭和39年10月の創業で、私が3代目になります。酒類の卸売業を生業といています。キリンビールの特約店として宮崎県南部地区を主に商圏としていますが、15万人近くいた人口も少子高齢化に伴い半分の7万人になり、また流通の変化に伴って、一番の得意先であった酒屋さんが少なくなり、それに伴い販売数量も半減してしまいました。酒類業は長年のデイスカウント競争で、お酒は安売り商品となり、全く利益が取れない商材になり、若者の酒類離れもあり消費が低迷しています。その中でどうにか生き延びるための方策を模索しているところです。一時期の焼酎ブームも去り、厳しい経営状況の中、従業員も少なくなりましたが、彼等の生活のためしっかり頑張っていかなくてはと考えています。働くことは、当然お金儲けのためであるけど、お金は生み出された価値の対価であります。物やサービスを受け取った人がどれだけ楽になったか、楽しくなったか、便利になったかで支払う価値だと思います。買う方からすれば、安い方がいいに決まっていますが、それが対価として釣り合っているかよく考えなければならないと思います。楽しい、おいしいお酒を皆様に届けていきたいと思います。「汗を出し、知恵を出し」働いてこそ、『はたを楽にする=はたらく(働く)』につながるものと考え、一生懸命頑張っているところです。

お陰さまで、どうにか60歳まで生きてきました。二人の息子も自立し、夫婦二人の生活です。これからどれくらい頑張れるものか?そう長く出来るものではないと思いますが、何かしら社会にお返しができればと考えています。

先日、新聞を読んでいましたら、永守日本電産会長が「全部使ってあの世に」と言って、次々と億単位の寄付を続けられているという記事を読んで、すごい人がいるものだと感心しています。私は、二人の息子の自立のために相当な時間と身の丈以上の金額を投資したもので、同じように大きな寄付は到底できませんが、この子らが自分の仕事を通して人助けをしていければ社会に恩返しができたと考えています。私に仕事があり、その収入があったからこそ子供が自分の願う職業に就けたこと、それを思うと職業を通じての一つの社会奉仕ができたのではと考えています。

これからは、ロータリーで学んだことを一つ一つ積み上げていき、実践できるように努力し、そして自らの職業を大切にして何かしらの社会奉仕ができればと考えています。

それから、ロータリーの精神を社員にも少しずつ理解してもらい、相手の身になって仕事に励むこと。それが「働く=はたがらく」につながり、ロータリーの奉仕の精神にもつながるものではと考えます。

「職業奉仕」の精神を多くの方に知ってもらうことが、「ロータリークラブ」の認知になり、

そして新たなるロータリアンの創出になるのではと考えております。

 以上、宜しくお願いいたします。