私の職業奉仕(佐土原RC・内藤 昭子)

所属クラブ:

氏名:内藤 昭子

私の今従事している職業は葬祭業である。その名のとおり、人が一生を閉じるときの一大イベントである葬儀とその後の供養に関するお手伝いをすること。

 私がこの職業に就いた経緯については、やりたいことをやりたいようにしてきた結果とも言える。まず中学生の時に祖父の介護に始まり看護師の資格をとり約十五年病院内を走り回った。そんな中再入院を繰り返す患者さんの生活が知りたくなりケアマネジャーの資格を取得し平成十二年介護保険制度導入と同時に介護支援専門員として活動すること十三年。途中結婚・出産を経験し平成二十五年に医療・介護の道から現在の葬祭業へ、主人とともに歩む覚悟を決めた。

 こうして自分の半生を文章にしてみると、いかにも何も考えず流に任せて過ごしてきたような感覚にも襲われるが、本人はいたって真剣に取り組んできたつもりである。人の生と死を対象者やその家族とともにする職業なんて他にない。とても貴重な職業を経験してきたことは私の人生観にも影響している。また、看護師の経験から、人が生きることへの執着と覚悟・落胆も身近で感じたからこそ感じる、葬祭業に従事する意味と支援を模索しながら日々過ごさせていただいている。

 ロータリークラブへの入会は、簡単にいうと既に入会していた夫と交代したのがきっかけである。当時はRCについての知識も関心もあまりなく、異業種で集まって昼食会&情報交換か程度の気持ちで参加していた。

 RCに入会して二年が経過したばかりで、ロータリアンと言葉にするのも恥ずかしいくらいまだ未熟であることを毎回の例会で感じる。ましてやRCの信念である職業奉仕をどう理解して具体的活動とするのか、まだ考えがまとまっていないのが現状である。ただ言えるのは、葬儀という誰もが経験せざるを得ない、しかも人生の大切な一場面をお客様とともにつくり上げ気持ちを分け合える職業に就いていることは私の最大の誇りであり、職業奉仕という面においてもその効果は大きいのではないかと考える。

 とはいうものの、毎日油断や隙も多く、思いついてはやり始めるが持続しない。後になって、きちんとやっておけば良かった等の後悔ばかり。葬儀のお手伝いをすれば家族間のトラブルに仲裁に入ることも多々あったり、

ほんの少しの声かけや配慮に思いがけず感謝されたりとまだまだ経験が足りないことを痛感する毎日である。

 このように、今の私は葬祭業における職業奉仕についてコレと言えるほどの活動はできていないが、一つひとつの葬儀を大切に、お客様の想いをできるだけカタチにして、後日微笑みながら葬儀の日を思い出していただけるよう仕事に取り組んでいきたいと思う。また、今後の課題として、ある日突然訪れる万が一をできるだけ冷静に受け止められるよう、事前相談システムの活用を広く知っていただけるような働きかけを行っていきたい。 

 そのためには、RCのような組織活動をはじめとして地域を対象としたイベント活動で事前相談システムを広く提案していくこともある意味私ができる職業奉仕のカタチではないかと考える。

 現在はただ一日を漫然と過ごしてしまうことが多いが、これからはできるだけ私ができる職業奉仕を具体的なカタチにしていけるよう努めていきたい。