私の職業奉仕(鹿児島RC・水淵 大作)

所属クラブ:

氏名:水淵 大作

 私の職業は、自動車部品それも自動車電装品に特化した部品の卸売りとその取付・修理・整備業です。主な取扱商品は、車のスターター・オルタネータ・電子制御部品等の電装品を始めとし、バッテリー・カーナビゲーション・ETC・カーエアコンや運行管理システム等です。これらに加え、平成6年より通信事業に参入し携帯ショップの運営もしております。

 当社の主な得意先は、卸部門は傘下の自動車電装品整備業(当社の同業者)や部品商・カー用品店等であり、整備部門のそれは、自動車販売店や一般自動車整備業・ガソリンスタンド・運送業やレンタカー業者等です。一般顧客が大半の携帯ショップを除いては、業者さんが相手の商売です。

 昭和5年に私の祖父が起業し、父を経由して、私が3代目となります。ロータリークラブの入会も祖父(鹿児島南)・父(鹿児島)

に続き私で親子3代連続となります。

 当社へ来られるお客様は、一言で言うと『何某かの困りごとをお持ちの方々』です。と言うのは、当社の扱う部品は、自動車部品の中でも電装品という特殊な部品です。故に当社でなければ手に入らない物が多いのです。また、修理に関しても自動車の電気周りの仕事に特化していますので、配線やシステム関連の専門の知識を必要とします。そもそも自動車が正常に動く間は、カー用品のお求めや取付以外では、当社に車を持ってこられる必要はありません。何らかの不具合が生じた時こそ当社の出番と認識しています。さらに、通信事業でも「携帯を替えたいけどどれにしたらよいかわからない」「携帯を使っていたら固まってしまった」「スマホの使い方がイマイチわからない」等大半の方が『困り事』を持ってショップに来店されます。正に当社の職業分類は、『車の電装機器と移動体通信器のお困り事解決業』です。

 当社の自動車部門の繁忙期は何と言っても夏場のエアコンシーズンです。数多くの入庫があります。そして多くのお客様から「助かりました。これで汗だくで運転しなくていいわ、ありがとう」の声をお聞きします。この時が、私にとってもスタッフにとっても最も嬉しいときです。

 私が社員に常に言っていることは、「うちに来られるお客様は皆、困り事を解決してほしくて来られている。だから誠心誠意ことに当たり解決してあげなさい。そして、一人でも多くのお客様からありがとうと言ってもらえるような仕事をしなさい」ということです。

 また、当社の原点である社是の中に「蒔かぬ種は生えぬ」「常に危機感をもて」があります。私は、常にこの社是を頭において会社経営に当たってきました。車にしても通信にしても技術革新のスピードは年々早くなっています。これらにいかに対応して行くかが今後の課題です。そもそもメーカーさんの目標は、「故障しない良いものを作ること」にあると思います。故障するのを待っている今までの考えではなく、不具合が出ないように事前に点検し、予防することが真のサービスではないか。従って「困り事を解決する」前に「ユーザーが困らないように予防する」ことがより次元の高い職業奉仕ではないかと最近思い始めました。具体的には車に関し、4年程前から電装メーカーさん並びにそのサービス店グループで、コンピューター診断機による車両のデータ収集と解析を始めました。これは、車両のシステムと部品の経年劣化傾向を見つけ予防整備につなげることを目的にしています。言い換えればカーメーカーさんやユーザーにとって車の故障は「想定外」のモノなのです。それを劣化傾向を見つけることで、「想定内」に収め事前に予防整備して安心・安全そして快適に乗っていただこうということです。当社のサービスも『困り事を解決する』から『困り事が起こらないように予防する』へもうワンランクレベルアップさせることを考えています。通信事業の携帯ショップでも同じです。

 最後に現場で今何が起きているのかをしっかり把握し、お客様(社会)が今何を求め、それに対し自分たちの成すべきことは何かを常に考えながら確実に実行して行こうと思います。当然その考える際のベースとなるのは『四つのテスト』であり、当社の社是であることに疑う余地はないと思います。より良い会社、さらにはより良い社会の実現を目指して、微力ながら愚直にそして真摯に自分と向き合いながら自分の職業に奉仕していこうと思います。