ガバナーメッセージ

2013-2014年度

とにかく「善いことをしよう。」

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大迫ミッション・パッション・ビジョン
 一度しかない人生を私達は如何に生きるべきでしょうか。自分自身が真に満足できる人生は何でありましょうか。
 私が小学校一年生の昭和16年12月8日に日本は真珠湾攻撃の奇襲作戦でアメリカ及国際連合国を敵に廻す戦争に突入いたしました。
 4年間の悲惨極まりない戦争で300万人からの犠牲者を出した挙げ句敗戦国となりました。
 戦争末期日本は、神風特別攻撃隊なる無謀な作戦で戦闘機に爆弾をかかえさせ、諸共に敵の艦隊に体当たりし自爆させ尊い若き航空兵の命を奪いました。
 鹿児島の知覧や鹿屋のかつての航空基地には純粋に国の為に散っていった航空兵の手記が残されて居り、私は幾度となく訪ねる度に大粒の涙をこぼすのであります。
 その中にこのような一文がありました。
本当の母親でないお母さんなのに、これまで一生懸命育ててくれてありがとう。
心の中ではいつも感謝の気持ちでいっぱいなのに、
今迄一度も声を出して「お母さん」と呼ぶ事が出来ませんでした。
折角大事に育ててくれたお母さんともいよいよ最後となり、お別れすることになりました。
私は国の為にこの身を捧げて敵艦に見事に突入して参ります。
しかし心残りが一つあります。
声を出して「お母さん」と言えなかった事が悔やまれてなりません。
最後に大きな声で「お母さん」と呼ばせて下さい。
お母さん僕の代わりにどうぞ元気に長生きしてください。
お母さんありがとう。さようなら。お母さん。お母さん。お母さん。
 この文を読んで又私は嗚咽の涙が止まりませんでした。
 この一文の思いは単に感情の高振りにのみ任せるものでなく、私達に深い意味を持たせてくれます。即ちお母さんの、義理の子供に対する愛の奉仕であり、今一つは自分の命を捧げる忠誠の奉仕であります。このようにして命を捧げた兵隊さん達は、家族を守る為、国を守る為にただひたすら奉仕の精神で命をかけて戴きました。そこには一途に純粋に、自身の心に、国民の為に、尽くすと言う奉仕の満足が宿っていたのだろうと思います。
 お陰様で敗戦から立ち上がった私達日本は、今70年近くに及ぶ平和を享受しています。経済も世界の一流にはなりました。しかしグローバル化の経済競争、安全保障、東日本震災復興、エネルギー、少子高齢化、技術革新等々、解決し進むべき課題は山積して居ります。
 かつて国の将来の為に命を捧げてくれた兵隊さん達の奉仕の心に私達は報いていかなければなりません。これを傳えるのはその時代を生きて来た人間としての責務だと思います。
ロン D. バートン国際ロータリー会長エレクトは
「ロータリーを実践し、みんなに豊かな人生を」
と素晴らしいテーマを掲げてくれました。ロータリーは中核的価値観を、奉仕、親睦、多様性、高潔性、リーダーシップとしています。
 その上に立つロータリーの最も根底にあり第一義である職業奉仕を全うすること。すなわち人々の為に如何に尽くすことができるか、が職業奉仕の原点であり、ロータリーの原点でもあります。その結果として社会への奉仕があります。事業は利益を上げる。即ち儲けなくてはなりません。しかし儲けの欲望だけが追求される事業は成り立たないし、継続もありません。そこには事業に関わる全ての人々の利益。即ち幸せがなければなりません。
 従業員、取引先、お客様などの幸せを提供しなくてはなりません。当然の事ではありますが、しかし人間の欲望と倫理の間には交錯する深い感情のもつれがあります。
 欲望を単純に理性と言う概念のみで抑えるのではなくて、如何に自分自身の心の根底に、確固として「公正な思いやり」を充実させ、行動に表す事が出来るか、そこを求めるのがロータリーであります。
 人々や地域社会、国家、そして世界に尽くす。その心を凾養し行動するのがロータリーであります。
 そこに世界のロータリアン約122万人が手をつないでいます。いわゆるより高い人生を全うするための道を追究することがロータリーであります。
 社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕は私達が職業奉仕を通じて得たエネルギー、パワーによってこそ達成することができます。
 ロータリーこそは一度しかない人生を如何に生きるかを追求し満足の花を咲かせる為の大事な行動であります。その土台とは職業奉仕を通じて事業を発展させ、社会に貢献し、更に自分自身の人格の陶冶、いわゆる人生の高い生き方を追究することであります。
 我々が胸に付けているロータリーのバッチはロータリーのブランドの貴重な印であります。ロータリーのブランドとは私達、あなた達一人一人のロータリアンが担っているものであります。
 ロータリアンとは
 職業奉仕を実践して社会に貢献し人格の陶冶を目指している、
 地域と世界のリーダーの「ステータスブランド」であります。
 私が掲げている人生の行動の規範は
 「ミッション・パッション・ビジョン」であります。
 ロータリーの活動も又、ミッション・パッション・ビジョンであろうと思います。
 そこで皆さん、私達は職業奉仕がロータリーの基本である事に深く思いをいたさねばなりません。
 ロータリーの行動の中で不思議が有ります。ロータリアンを紹介する場合、単にクラブ名のみの事が殆どです。例えばメーキャップ一つをとってもそうです。私はロータリアンの紹介は勿論クラブ名は第一ですが、職業も同時に紹介すべきと思います。
 ロータリーの原点は、職業を基盤とする分類が第一であるのであります。どんな職業の人かでそのロータリアンをよりよく知り親しみを持ち理解するのであります。職業を紹介するのは当然の事であります。職業を卒業されたロータリアンであっても、かつて職業奉仕を尽くされた方に違いは有りません。誇り有る職業こそはロータリアンの第一の価値であります。
 こんな話をいたしますと、ロータリーはあくまで個人でありますからと反論する人がいます。勿論個人の存在を否定するわけではありません。しかし、職業を基盤とする個人がロータリアンなのです。それぞれが誇り有る仕事に汗を流して職業奉仕を実践しているからこそロータリアンなのです。どうかロータリアンの皆さん、自分を紹介し仲間を紹介する時には必ず職業も一緒に紹介しようではありませんか。
 さて、会員増強と拡大は私達が達成すべき大事な目標であります。その為の今日、明日の一番目はロータリーのブランドのしっかりした社会の認知が必要であります。知り合い、友達を誘う時に先ず大事なことは誘われた人がロータリーに対して評価をして戴いているかどうかだと思います。
 ロータリーに対する評価はロータリアンである自分自身の評価であるかも知れません。同時にロータリアン自身がミッションである職業奉仕を意識し、パッションで情熱を込めて説得するかであります。
 私達が職業奉仕を実践して社会に貢献し、人格の陶冶を目指して、地域と世界のリーダーとしての誇りを持っている限り、多くの人々を情熱を持ってロータリーに誘わなくてはなりません。
 職業に精を出し、社会の為になろうと尽くしている方は、まだまだ沢山居られます。崇高なロータリー理論を学ぶのも大事ではありますが、私達ロータリアンは一人でも多くの仲間を増やし、その新しいロータリアンからも多くの事を学ぶ事ができます。ロータリアンの良さはロータリアン同志から学ぶ事でもあります。
 クラブこそは国際ロータリーの一番の組織員であり最も大事な存在です。クラブの活性は会員の継続的交流維持であり、新しい会員の増加であります。新しい会員は新しい風をクラブに吹き込んでいただけます。新しい風は又新しい風を起こし、クラブの活性の風になると思います。ここにビジョンの力が生まれて参ります。
 皆さん一人でも二人でも知り合いの方をロータリーに誘おうではありませんか。否、是非誘って下さりロータリアンとして素晴らしい人生を送って戴こうではありませんか。
 最後になりますが、私達はロータリーのバッチに誇りを持つと同時に、このバッチのもとロータリーを楽しまなくてはなりません。近代日本の大事業家渋澤栄一は論語と算盤という理論で商売と倫理の同一整合を説いています。論語の一節に『これを知る者はこれを好む者にしかず、これを好む者はこれを楽しむ者にしかず』とあります。ロータリーを即ち職業奉仕を実践しミッション・パッション・ビジョンでロータリーを充分楽しもうではありませんか。

■ガバナープロフィール

【基本データ】

  • 生年月日 昭和9年11月17日(戌年)
  • 職業分類 印刷
    • 株式会社宮崎南印刷 代表取締役社長
    • 株式会社パームス企画 代表取締役
    • その他計10事業会社代表取締役
    • 宮崎県印刷工業組合理事長
    • 全日本印刷工業組合連合会理事
    • 宮崎県中小企業団体中央会理事

【ロータリー歴】

  • 1975年9月 宮崎南RC入会
  • 1980年~1981年 宮崎南RC幹事
  • 1991年~1992年 宮崎南RC会長
  • 2004年~2005年 宮崎南RC会長(2回目)
  • 2006年~2007年 ガバナー補佐
  • IM実行委員長 3回/li>
  • 地区協議会実行委員長 2回
  • GSE地区委員など 延べ6年間
  • ホストファミリー 交換留学生(ワシントン州より)3ヶ月
  • 交換留学生(トロントより)3ヶ月
  • GSEファミリー(フィンランド)等3回
  • マルチプル・ポールハリスフェロー 2回
  • ベネファクター 米山功労者

【座右の銘】

  • 「事の誤るは得意の時、事の成るは失意の時」

【ささやかな努力】

  • 「ロータリー38年、無欠席と継続」

【愉快な思い出】

  • 「第1回ロータリー甲子園野球全国大会第3位入賞!2番レフトで出場」