私の職業奉仕(鹿児島東南RC・中馬 敏之)

所属クラブ:

氏名:中馬 敏之

ロータリーの目的は、職業を通して社会の様々なニーズを満たすことであり、職業奉仕は、職業を通して社会のニーズを満たすよう努力を重ね、それによって自己の職業の品位と道徳水準を高めていくことをいうとされています。

ロータリーは、単なる奉仕団体ではなく職業を通して社会に奉仕する団体ですから、自己の職業が基本にあり、利益を追求し自己の職業を継続的に存続させていくなかで、同時に人の為に奉仕する心を持って職業を営むことが求められています。

専門的能力や技術を高め、また人の為に奉仕する心を持って職業を営む道徳的能力を高めていくことが、利益を追求し自己の職業を継続的に存続させていくことに結びつくものと考えます。

専門的能力と道徳的能力の両方をバランス良く向上させていくことが大切といえるでしょう。

経営者は健全な事業を営むべく経営努力を重ねていきますが、職業の存続には従業員、顧客や取引先、地域社会などの協力も重要です。従業員、顧客や取引先、地域社会などへ奉仕する心を持って職業を営めば、自然と社会のニーズを満たすよう努力を重ねる結果となり、自己の職業の専門的能力や技術を高め、また品位と道徳水準を高めていくことができると思われます。

最近職業奉仕について考えさせられる機会がありました。それは、平成29年5月20日、鹿児島東南ロータリークラブが主催した講演会です。「天職・適職を選択する眼を持とう」と題し、若年者の離職率を下げることを目的とした講演会でしたが、職業奉仕についても考えさせられる内容でした。

講演者は、自分が日々行っている仕事とは何かについて語ってくれました。職場においてその時その時に行っているのは作業に過ぎないのかもしれない、しかし、その行為を何のために行っているのかを考え、人の為になるものであること、社会に貢献する内容のものであることに気づいたとき、それは自分自身にとってかけがえない仕事、職業になると話していました。普段は日々の作業に追われ自分の仕事の意味について考えることはあまりないかもしれませんが、自分の仕事がどのように社会に貢献しているかを考えていくことは、ロータリーにおける職業奉仕を理解し実践していくことにつながるのではないかと感じました。ロータリーにおける職業奉仕は、職業を通して社会に奉仕することだからです。

また、講演者は、自分も他人も知る自分、自分は知らないが他人が知る自分、他人は知らないが自分は知っている自分、自分も他人も知らない自分が存在し、自分も他人も知らない自分の領域に新しい可能性が眠っていると話していました。新しい可能性を開くためには、自分は知っているが他人は知らない部分を他人に開示し、自分は知らないが他人が知っている自分について、他人から助言を受けることで、今まで知らなかった自分に気づくことができ、これを繰り返していけば自分の新しい可能性を広げていくことができると話していました。

ロータリーにおいても、例会に出席し、ロータリアンとの親睦を深め、奉仕活動への参加などを通して、自分は知っているが他人は知らない部分を他人に開示し、自分は知らないが他人が知っている自分について他人から助言を受けるなどして自分の新しい可能性を発見することができると思われます。新しい可能性の発見は、今後の自己の職業に活かされるでしょうし、職業が発展、継続していけば更なる社会奉仕につながることでしょう。

職業奉仕は、自分の仕事が社会にどのように貢献しているかを考え、その貢献をどのように発展、存続させていくかを追求していくことではないかと講演を聞いて思いました。

さらに、講演者は、成長したいと望む若者の叫びに大人は応えてあげないといけないと話していました。若者に成長する機会を与えるのは大人の役目です。そして、若者が成長する機会の一つは職業だと思います。ロータリアンが自己の職業を継続的に存続していくための努力を重ねれば、若者に職業を通じて成長する機会を提供することに結びつくと思いますし、ロータリアンが職業奉仕を実践する姿を若者に見せることは、若者にとってもいいお手本となるのではないかと思われます。そのような意味では、職業奉仕の実践は、若者の育成、青少年奉仕とも深く関係しているといえます。

私の仕事は弁護士業務で専門性の高い職業ですが、素晴らしい講演を聴くことができたことを良い機会として、仕事とは何か、社会にどのように貢献していくかを考え、職業奉仕に努めていきたいと思います。

以上